第11回口頭弁論と報告会実施報告
2011年10月11日 横浜地方裁判所で第11回口頭弁論は開かれました。
原告側準備書面とともに、河川工学専門家 石崎勝義工学博士(元長崎大学環境科学部教授(環境設計)、元土木研究所次長(河川工学))の意見書を提出しました。
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<意見書概要>
- 環境影響評価項目に「浸水」項目を含めないことを被告横浜市が行ったという違法性を指摘。
- 2014年10月の台風18号では、敷地北側の地域は約50cm(床下浸水)の内水浸水被害があったが、同様の大雨では、盛土により、深さ約80cmの床上浸水レベルに被害が増大する。
敷地北側の道路沿いに設置される「緑道」i入り口は、敷地北側の低い箇所(旧日立正門前,海抜約11.6m)より約50cm 高い位置(海抜12.1m) にあり、かつ雨水が流れる「みずみち」としての緑道出口付近(平成横浜病院出口付近の道路)は、海抜12.4mと、さらに高くなっており、雨水の流れはこの高さになるまで止められる。
一方、盛土のない従来の地形では、敷地南東部の海抜が11.8mで、敷地内に一旦たまった雨水は、この高さに達すれば、南東方向に流れだす。
したがって、緑道の効果は限定的であり、台風18号と同様の大雨では、盛土の影響で、敷地北側の地域は、約80cm (12.4-11.6=0.8m) の床上浸水に被害が増大する。 - 横浜市がH31年3月に住民に提示した下記 市の浸水対策*は、盛土による浸水増大を緩和するには不十分であり、また効果がでるまでに10年以上かかる。
*市の浸水対策
(短期)道路表面水の取水改善、雨水をゆっくり流す対策、マンホールの圧密化等
(長期)約50mm/hから約60mm/hへのグレードアップ等
(中期)合流整備区域の一部分流化等(雨水区域の再整備) - 柏尾川が合流している境川は特定都市河川*に指定されており、流域において貯留などの保水機能保全や遊水機能の保全、増強が求められている。
本開発計画の盛土は、それに逆行し、治水効果を減殺するものである。*特定都市河川
都市部を流れる河川の流域において、著しい浸水被害が発生し、又はそのおそれがあり、かつ、河道等の整備による浸水被害の防止が市街化の進展により困難な地域
検討の結果、
今回の中外製薬の盛土による開発認可は取り消されるか、
あるいは環境影響評価書の審査を継続し、盛土が周辺地区の浸水被害を増大させないための諸施策が事業者・関係者によって適切に計画され、住民の合意を得て早急に実施されてしかるべきものと考える。
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以上のように意見書はまとめられています。
原告側第8準備書面では、上記意見書の内容を盛り込み、
さらに、原告側の論旨が不明な項目につき求釈明を求めました。
被告側は、次回口頭弁論に被告側専門家の意見書を提出することを明言しました。
口頭弁論終了後、開港記念会館にて報告会を行い
原告団、弁護士団、支援者の間で闊達な意見交換がなされました。
次回、口頭弁論の日程は以下です。
第12回口頭弁論
日程:2022年 1月19日(水)11:00~
場所:横浜地方裁判所 502号法廷
口頭弁論終了後、報告会を予定しています。会場等は追ってお知らせします。
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